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新型が出た今こそ! 若者が先代Sクラスの魅力を解剖

新型が出た今こそ! 若者が先代Sクラスの魅力を解剖 

【S400に乗って、気になる部分も生意気に正直に語ります】

 

 Sクラスと言えば、メルセデスメルセデスと言えばSクラス。と言えるほどに、Sクラスはメルセデスベンツの歴史ある象徴であり、フラッグシップサルーンです。

でも僕らのような若者からすれば、Sクラスなんて到底手の届く買い物ではありません。。。(しかもこんなの乗ってきたら恐そうというイメージも強い笑)

そんなSクラスですが、つい先日フルモデルチェンジが発表されました。そんな時だからこそ、熟成された先代モデルを改めて解剖していきたいと思います。

でも中々乗れない車だからこそ、きっと若者レビューは少ないぞという事で書いていきます!

 

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見た目だけでも圧倒される威厳があります。

https://www.autocar.jp/post/239361

 

「最善か、無か」メルセデスの哲学思想を体現する車

 Sクラスの歴史を遡ればそれだけで一冊本ができそうなくらいの厚みですが、「Sクラス」という呼称が用いれられたのは、1951年のW187型に始まります。最新型は7代目にあたります。つまり、この車だけで70年の歴史が詰まってるんですね。すごい。

そんなSクラスは高級車の王道として、最新の機能やメカニズムが搭載されてきました。特にメルセデスは、乗員が「快適」にそして「安全」に走ることができる事を開発の主軸として掲げてきました。ちなみにエアバックを世界で初めて搭載したのはこのSクラスからなんですね。。

しかも僕らが生まれるずっと前から、シートベルトやエアバック、シートヒーター等、今では車の当たり前となっている装備をしっかりと作っていたんですね。もうすごい。

一体当時Sクラス乗っていたら、どんな存在として見られていたんだろうか。。笑

 

Sクラスの簡単な概要

 先代モデルであるSクラス(W222型)が登場したのは2013年。それから7年間に渡って、改良と販売を続けてきました。このモデルになってから、デザインは最近の流れであるクーペフォルムな流麗なものへと進化しました。

 さらにこのモデルから安全装備やシステムが進化し、車線逸脱やクルーズコントールの制度が更に上がりました。また、オプション装備で「マジックボディコントロール」という機能が付けられ、フロントガラスについているカメラで数十m先の凹凸を感知して、サスペンションのダンパーを最適に制御することができます。もう魔法の絨毯ですね、これは。

 

エンジンやモデルは何度か改良されていています。

なくなったものを含めて、このようなモデルがあります。

S300h 2.2ℓ 直列4気筒ディーゼル+モーター

S400  3.0ℓ V型6気筒ツインターボエンジン

S400d 3.0ℓ 直列6気筒ディーゼルエンジン

S450  3.0ℓ 直列6気筒エンジン+ISG

S550  4.7ℓ V型8気筒ツインターボエンジン

S560  4.0ℓ V型8気筒ツインターボエンジン

S600  6.0ℓ V型12気筒ツインターボエンジン

S560e  3.0ℓ V型6気筒エンジン+プラグインハイブリット

S63AMG 4.0ℓ V型8気筒ツインターボエンジン

S65AMG 6.0ℓ V型12気筒ツインターボエンジン

 

こんなにあります。間違っていたらごめんなさい。さらにこれに、ショートモデルとロングモデルを選択することができます。7年間でこれかけのモデルがラインナップされていた訳です。僕たちからすれば、この排気量を見るだけで自動車税が恐ろしいですね。笑

 

S400は、最後のV6ガソリンエンジンモデルになるハズ

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https://www.autocar.jp/post/239361


 という事で今回乗った車は、3.0ℓV型6気筒ツインターボエンジンを搭載するモデルです。Sクラスとしては、S300hを除いてはエントリーモデルに位置する車です。と言っても、十分高いのですが。。笑

 このモデル以降は、新世代の直列6気筒エンジンに切り替わった為、ある意味では貴重な最後のV6エンジンモデルだと言えます。以下がスペック概要になります。

 

全長×全幅×全高:5125×1900×1495mm
ホイールベース:3035mm
重量:1970kg
パワーユニット:V6DOHCツインターボ・2996cc
最高出力:270kW<367ps>/5500-6000rpm
最大トルク:500Nm<51.0kgm>/1600-4000rpm
ミッション:9速AT
タイヤ:245/50R18
価格:1128万円

 

 とにかくボディは大きいですね。日常使いでは使い余してしまうサイズですね。

大抵の人は免許取ったばかりでは、ちょっと恐ろしいサイズだと思います。。

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 内装はさすがベンツと言える、シンプルでおしゃれなイメージ。この手の車は、色んな装備があってごちゃごちゃと色んなスイッチやら機能が付けられているようなイメージですが、至ってシンプルです。これはまさに人間哲学に基づいたメルセデスのデザイン思想がよく表れている感じです。

 なんといってもアンビエントライトが映えますね。これ色も自由に変えることができるので、夜とかはめちゃくちゃおしゃれですよね。

 

巡洋艦に乗っているような重厚感

 乗り込んで最初に思う事は、もう走り出す前から「この車は乗り心地がいい」という事が感じられるほどの重厚感があること。ドアを閉めれば外の音は遮断され、戦車に乗っているかのような重厚感に包まれている感じがします。そして何よりも驚いたのは、シートの座り心地がとんでもなく素晴らしいこと。運転席まわりも大柄なシートに作られていて、ゆったりとソファーに座るような感じがあります。これはメルセデスのモデルの中でも恐らくSクラスだけではないでしょうか。CクラスやEクラスは少し小ぶりに作られていて、どちらかというと乗員をしっかりホールドするような適度な硬さがありますが、Sクラスはそれとはまた違う感触です。こうしたシートの作りからも、Sクラスが他のモデルとは違うぞ。ということをすぐに感じられるものになっています。

 走り出しても不快な振動やエンジン音は聞こえません。フワッとした乗り心地と、長いボンネットによって、高速クルージングではまるで船に乗っているような感覚になります。なので、飛ばすよりも自然とゆっくりとくつろいで運転をする感覚になりますね。

 

ウルトラスムーズなエンジン

 走りだせばものすごく静かで、ターボが付いているとは感じないようなスムーズなエンジンです。いわゆる過給機独特の雑味や、音もしないです。当然、ドッカンターボなんかでもない。普通に乗っていれば、NAなのかターボなのかよく分からないと思います。ただ、2t級のボディーに367馬力のエンジンは、必要にして十分なパワーという感じで、特別速さや気持ちよさを感じるようなものではないです。中間加速では、その大きさ故にするどい加速をする感じでもないです。一方で、新開発の9速ATは、比較的ポンポンとシフトアップしていきます。高速ではゆっくり走っていても、トップギアに入るようになっています。なので、100キロ前後の高速巡行では、エンジン回転も1500回転当たりをキープしている為、静粛性や燃費に優れている印象です。発進時にも、2速スタートをすることも多いですね。変速ショックもないので、とてもスムーズに運転できる印象です。ただ、スポーツドライビングとしてはやはり不向きで、パドルシフトでシフトダウンをしても、あまりエンジンブレーキが利くような感じではないです。

 

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ディーゼルモデルと比べても、S400は隠れたベストバイかもしれない!

 やはりSクラスはゆったりと乗る車だと思います。これなら、長距離を運転していても疲れないですよね。クラウンとかLSとか、Sクラスなどの車種は基本的にショーファーカーとして、運転するというよりもむしろ後ろの席でゆっくり移動するというイメージが強いです。ですが、このSクラスでは運転席に座ってもよし、後席に座ってもよしな車だと言えます。

 そしてこのS400の評価ですが、個人的には6気筒モデルとしては一番のベストバイだと言えるのではないでしょうか! Sクラスのモデル自体はさらに、v8もあればv12まであります。更に運転した車は、マジックボディコントロールは非搭載の為、それらを付けたモデルは更に良い物だとは思います。しかし乗り心地やパワー、装備はこのモデルで十分過ぎるレベルと言っていいでしょう。

 というのも実は、個人的にはディーゼルエンジンであるS400dよりも、乗り心地は良いと正直思います。このモデルでは最終型としてS400dが発売され、販売では主力モデルとして展開してきました。しかし実際乗ってみると、ちょっと乗り心地が固めなんです。それに地面からのロードノイズも拾います。それに比べて、このS400はトルクのパワーは及ばないものの、足がフワッとしていて、すごく柔らかい乗り心地の印象です。Sクラスに文句をつけるなんて生意気かもしれませんが、元々静粛性の高いV型バンクのエンジンと相まって、街乗りではS400はとても良いのではと思います。

 このような違いがあることについては、個人的にはタイヤとエンジンが影響していると個人的には考えています。というのも、S400のタイヤはコンチネンタルを履いているのに対して、S400dはピレリのタイヤを履いています。このピレリのタイヤが少し、ごつごつとした感覚がするのです。更に、ディーゼルエンジンの場合、構造上どうしてもエンジン本体が重たくなってしまうため、それを支えるために車のダンパーが少し硬めに設定されていることが要因ではないかと勝手に推理しています。

 

 とにもかくにもとても良い車です。ですが、S400自体は途中でモデルとして廃止されてしまい、ネット記事を見ても余りレビューの少ないモデルでもあったりします。。だからこそ、このS400は隠れたベストバイな車と言えますね!